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2020年2月12日 (水)

人の心の悪への感染

病者のためのミサ

2月11日(火曜日)、五井教会

説教 岡田武夫名誉大司教

 

みなさま、今年も2月11日五井教会で世界病者の日のミサを献げさせていただけることを大変ありがたくうれしく存じます。

 

1858年のこと、ルルドというところ、フランスとスペインの国境に近いフランス側の寂しい所で、少女ベルナデッタにそれは美しい麗しい姿をした婦人が現れ「わたしは原罪無くして宿ったものである」と言われたのであります。

 人々はすぐには信じなかった。そこで、信じてもらうために清らかな泉を湧き出せたところ、その水に浸った人の多くが癒されたのであります。

 その出来事を記念して2月11日がルルドの聖母の日となり、聖ヨハネ・パウロ二世はご自身自体が難しい病気を患っていた方なのですけれども、「世界病者の日」とお定めになったのでありました。

たしたちが、救い主として信じ仰いでいるイエス・キリストという方は、どんなことをしてくださったという方であるのかというとを思い起こしてみますと、今読んでいただいた福音書が告げておりますとおり、多くの人の病気を癒し、そして、悪霊を追い出してくださったことであります。そして、更に復活なさってすべての人の上に聖霊を注ぎ永遠の命へとわたしたちを招いてくださっています。

 福音書を読むと非常に目立つはっきりとしたイエスの行いは、困っている人悩んでいる人病気の人、或いは体の不自由な人をお癒しになった、《癒し》ということでありました。また、こんにち理解しにくいかもしれないが、汚れた霊や悪霊に憑かれた人からその霊を追い出してくださったということであります。

それは大変多くの人数であったと思いますが、しかし、その当時の地上に何人の人がいたのか、そして今、何十億の人がいるのか?すべての人がそのようなイエス・キリストによる癒しの恵みを受けたわけではなかった。

まぁー、こんにち益々わたしたちの状況は難しくなっているともいえましょう。わたしたち自分自身を含め家族、友人、知人そのほかの人々のことを思えば、まったく健康に問題がない人というのは非常に少ない。今の医学は非常に進歩しているので、調べれば必ず何か問題があると、まっ、調べなければいいのではないかもしれませんが・・・。ということになるわけであります。

そのように、わたしたちは「完全なる健康」というものは与えられていないといっても、それほど間違えではない。されど、一つ思いますことがあります。

体の健康というのはわかりやすい。体の病気は解りやすい。しかし、心の健康というと、どうなったら健康なんでしょうか?

人間の心というものは、非常に困ったもので、聖書のいろいろなところにありますが、「人の心は癒しがたい悪に感染している」と。いま、コロナかヴィールスの感染が問題になっていますが、心に入り込んでいるばい菌は、なかなかのことでは駆除できない。

 

最近、非常に世界規模の大きな会社の会長であった人の犯罪が報道されています。何が事実であったのか?わたしにも分かりませんが、そういう問題がある。それに関連して、他の有名なある企業のトップになった人が、インタビューで述べている言葉がわたしの心に響いています。「人間というものはしようがないもんですなぁー。人間は嘘をついてはいけない。胡麻化していけない。そして、自分に与えられている権力、権限を自分のために使ってはいけない。自分の利益のために使ってはいけないです。わたしは心に深くそうしないと誓いましたが、思い起こせば若い時に、ついうっかり、上司に言われて、『問題ありません』と嘘をついてしまったことがある。それは、バレると自分の評判が悪くなることを恐れてのことであった。それ以来、自分は絶対に嘘をつかない。それから、自分のために自分の持っている力を使わない。困っている人、他の人には使うが自分を喜ばせるためには絶対に使わないと誓った。』

人間なかなかそれが実行できないものであります。最初は真面目に純粋にその道を歩みますけども、だんだん事がうまくゆくと評判も良くなりだんだん地位も上がっていくと、だんだん思い上がって、そこに魔が差すといいましょうか、気が付くと、自分のために喜んでいろんなことをするが、人のためにすることをだんだん遠ざけるようになる。そういう人間の性というものはなかなか直らない。人間の一番大きな病気はそういう人間の弱さ、エゴイズムというか、他の人よりも自分のことを優先させてしまう心の傾きではないかともいえましよう。

わたしたちが癒しておくべき病気、それはそういう心の病気ではないだろうか?主イエス・キリストはそういう私たちの苦しみを受け、そして、復活してくださったのであります。結局のところ、わたしたちは主イエス・キリストの復活に与ることによって、心も体も問題のない健康な状態に変えていくわけなのであるとわたしたちは固く信じている。が、その時まではどうしても不完全な自分でありますし、問題ない自分とは言えませんが、まぁ、お互い励ましあって、そして希望をもって歩んでいきたいと思います。

2020年2月11日という日、ここに集うことができたわたしたちに慈しみ深い全能の神が聖霊を豊かに注ぎ、わたしたちを、心も体もすべてにおいて、神の平和に与るものとしてくださるように、復活の喜びに加えていただけるものとなるようにお祈りいたしましょう。

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